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2024.02.06

水害から暮らしを守る、家づくりのコツとポイント

目 次

近ごろ、毎年のように大きな水害が起きていると思いませんか。地球温暖化の影響により集中豪雨が増加傾向にあり、日本では過去10年間に約97%の市区町村で河川の氾濫などの水害が起きているのだそうです(※)。そんな気候のなか安心して暮らすために、この記事では水害に強い住まいづくりのポイントや注意点を解説します。

※出典:河川の氾濫や高潮など、水害からあなたの地域を守る、「水防」│政府広報オンライン

水害とは?

水害とは、水が原因となる自然災害です。水災と呼ばれることもあり、さまざまな種類の被害があります。

水害の種類

【豪雨】

短時間に強い雨が降る現象です。特に局地的な豪雨は「ゲリラ豪雨」とも呼ばれ、短時間に大量の雨が降ることで道路が冠水したり、低地の住宅が浸水したりするケースがあります。また、地盤が緩むことで土石流や地すべり等の土砂災害が起きやすくなるため、雨が降っている時のみだけでなく、雨が止んだ後も注意が必要です。

【洪水】

大雨により河川の水位が上昇して氾濫し、その周辺地域に被害をおよぼす現象が「外水氾濫」です。また、市街地などの局地的な大雨に排水機能が追いつかず、排水路や下水道から水が溢れ出して道路や建物が浸水する現象を「内水氾濫」といいます。

【台風】

大型の熱帯低気圧で、強い風と大雨を伴う自然現象です。台風による被害は、豪雨や洪水といった水害のほか、強風による「風災」も含まれます。具体的には、屋根が吹き飛んだり、木が倒れたり、飛来物による建物の損傷などです。

【高潮】

大雨や台風、地震などによって、海面が通常よりも高く上昇する現象です。おもに海岸部に被害をもたらし、家屋の浸水や農地の塩害など、さまざまな影響をおよぼします。

【津波】

海底地震や火山噴火などにより発生する、海の大波です。海岸沿いの地域に壊滅的な被害を与えることがあります。

水害がもたらす被害

時には水害が直接的に人命に関わることもあります。河川の氾濫により家ごと流されてしまったり、土砂崩れに巻き込まれてしまったりすることがあります。

次に考えたいのが、家屋のダメージです。浸水により家具や家電が水没し、住宅そのものも損傷を受けます。損傷の規模によっては建物を立て直す必要が生じ、大きな経済的負担となるでしょう。

暮らしへの影響も大きいです。水害により電気やガス、水道といったインフラが停止すると、生活に必要な機能が一時的に利用できなくなります。さらに、汚水やゴミが広範囲に広がることで衛生環境が悪化し、感染症の発生リスクも高まります。汚泥の除去作業や清掃の際には注意が必要です。

水害リスクが低い土地の選び方

水害が起きやすい地形

河川の近くの土地は、大雨の際に外水氾濫のリスクが高まります。特に、周囲よりも低い地形となっている場合は、内水氾濫による浸水も起きやすいです。傾斜地も雨水が一方向に流れやすく、急な傾斜がある場合は地滑りや土砂崩れのリスクにも注意しましょう。また、田んぼや沼地を埋め立てた土地は、水が溜まりやすい傾向があります。

軟弱地盤と水害リスク

緩い砂地や水分を多く含む粘土地で構成され、建物を支える力が弱い土地を「軟弱地盤」といいます。そのままでは建物が傾いたり沈み込んだりするリスクがあるため、地盤を強化するための改良工事が必要です。また、緩い砂地の軟弱地盤で地下水の位置が比較的高い土地では「液状化現象」のリスクもあります。液状化とは、地震の振動により地盤と地下水が混じりあい、地層自体がドロドロの液体状になる現象です。

軟弱地盤の土地は、埋立地、河川の下流域、海岸や河口付近に多いです。つまり水害リスクが高い土地と言いかえることができます。

ハザードマップの活用

ハザードマップとは、地域の災害リスクを表示した地図のこと。「防災マップ」や「被害想定図」などと呼ばれることもあります。これを活用することで、土地選びや防災に役立てることができます。

ハザードマップ上には、洪水や土砂崩れ、地震、津波などのリスクが色分けや記号で示されています。購入を検討している土地や現在住んでいる土地にどのような災害が起き得るのか、リスクの度合いはどれくらいなのかを確認しておきましょう。また、最寄りの避難所を確認し、できるだけ安全に避難できそうなルートを調べておくと安心です。

ハザードマップは行政が作成・公開しており、ウェブサイトで確認できるほか、自治体によっては、紙の地図や冊子を配布していることもあります。地域や時期により情報が更新されるため、最新のものを確認するようにしましょう。

参考リンク:ハザードマップポータルサイト│国土地理院

家づくりで考えるべき水害対策

高台に建てるメリットと注意点

水害対策として、“高台に家を建てる”。その最大のメリットは、洪水による直接的な浸水を防止できることです。ただし、高台の住宅でもそのエリアの排水機能を超える大雨が降ると、内水氾濫が起きて地下室や地下駐車場に水が流れ込むケースがあります。また、傾斜地であれば土砂崩れのリスクも考慮する必要があります。高台でもしっかりとした地盤調査と周辺環境の確認は欠かせません。

水害に強い住まいの性能

水害リスクが高い土地に家を建てる際の水害対策として、盛り土をして敷地全体を周囲よりも高くする方法があります。水の侵入防止には、建物のすき間をなくし気密性を高くすることが有効です。また、外壁の素材を強度が高いタイルなどにすることで、洪水時に流れてくるゴミや流木などから損傷を受けにくくなります。そのほか、日頃から雨どいや排水溝の詰まりがないかを確認して、住まいの排水性を保つことも大切です。

水害に備える間取りのコツ

水害リスクが高く、これまでに浸水があったエリアでは、思い切って主要な機能(リビング、キッチンなど)を2階に設ける間取りにしても良いかもしれません。また、エアコンの室外機や給湯器などの設備を、想定される水位よりも高い位置に設置するのもおすすめです。

防災意識を家族で共有する

どんなに強固な家づくりをしたとしても、大規模な水害が起きたときに命を守るには「早めの避難」が必要不可欠です。最寄りの避難所や避難ルートの確認を家族みんなでしておきましょう。防災意識を家族全員で共有し、日頃から備えを心がけることが大切です。

まとめ:水害に強い安心な住まいをつくろう

豪雨・洪水・台風・高潮・津波といった水害は、家屋へのダメージ、生活環境への影響のほか、人命を脅かす可能性もあります。水害リスクが低い土地を選ぶには、地盤の種類や地形、河川との位置関係などを考慮しましょう。水害リスクが高いエリアでは、主要な設備を高い位置に設置することも有効な対策となります。また、日頃から防災意識を家族で共有しておき、万が一のときには早めに避難することが大切です。

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