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2024.02.06

レジリエンス住宅とは?災害時も安全に暮らせる家

目 次

毎年のように大きな自然災害が起きている昨今、住まいに求められるものは何でしょうか?毎日の快適性はもちろんですが、いざという時の備えも重要ですよね。そこで知っておきたい考え方が「レジリエンス住宅」。災害に強く、日頃の健康や安全を支えるための特性を持つ住まいです。この記事ではレジリエンス住宅の特徴やメリット・デメリットを解説します。

レジリエンス住宅とは?

レジリエンスとは、英語で「強靭さ」や「回復力」を意味する言葉。レジリエンス住宅とは、災害が起きたときの強さのほか、平常時の安全性や災害後の備えも併せ持つ住まいです。レジリエンス住宅の性能は、「免疫力」「土壇場力」「サバイバル力」という3つの観点で考えることができます。

・免疫力…普段の暮らしのなかで病気や事故が起きにくく、安心して暮らすための対策
・土壇場力…災害が発生したときに命を守り、被害を最小限に抑えるための性能を備えている
・サバイバル力…災害により住宅が被害を受けた後、生活を支えるための準備がある

これらの力が一体となって「レジリエンス住宅」は生まれるのです。それぞれの力の詳細は次の項目で解説していきます。

平常時のレジリエンス【免疫力】

高気密・高断熱

高気密とは、住まいのすき間が少なく室内の空気が逃げにくいこと。高断熱とは、熱を伝えにくい建材の使用により室内が外気温の影響を受けにくくすることです。高気密・高断熱の住宅は一年を通して快適な環境を保ちやすく、ヒートショック症候群(温度変化により血圧が急激に上下して起きる健康被害)の防止に効果的です。また、冷暖房の効きが良いため光熱費の節約にもつながります。

住まいのバリアフリー化

バリアフリー化とは、住まいの段差をなくしたり、手すりを設置したりすることで、お年寄りや体が不自由な人も安心して暮らせる環境を整えることです。得に高齢者は骨折がきっかけで寝たきりになってしまうケースも少なくないため、住まいの転倒対策は大切です。

建物や設備のメンテンナス

定期的に屋根や壁、住宅設備の点検を行い、適切なメンテナンスを施しましょう。給湯器の急な故障や水栓の水漏れ、雨漏りなどのトラブルを未然に防ぐことができ、住まいの寿命を延ばすことにもなります。

災害発生時のレジリエンス【土壇場力】

耐震性を確保する

耐震性能の高い住宅には、大きな地震が起きても建物が崩壊しない強さがあります。中にいる人の命を守り、被害を最小限に抑えることが可能です。現在の新築住宅では、震度6強〜7程度の揺れでも倒壊しないように基準が定められています。

土地の災害リスクを知っておく

地域により、起きやすい災害の種類やリスクの高さが異なります。ハザードマップなどで土地のリスクを確認して、必要に応じた対策を取っておきましょう。例えば、河川の氾濫リスクが高いエリアの場合、寝室やリビングなどの主要な部屋を2階に配置することで、浸水による被害を軽減できる可能性があります。

家具の転倒を防止する

大型の家具や家電が大きな地震で倒れたり飛び出したりすると、怪我の原因になります。倒れた家具類が逃げ道をふさぎ避難の妨げになる可能性もあるため、壁や床にしっかりと固定しておきましょう。造り付けの家具なら転倒や移動の心配がありません。

防災用品の準備

避難所などに緊急避難するときに持っていく“非常用持ち出し袋”と、自宅避難で必要になる物の両方を準備しておきましょう。水・食品・ラジオ・携帯充電器などの基本的な防災用品に加えて、常用の薬・ミルク・おむつ・介護用品といった、それぞれの家庭で必要な物をプラスする必要があります。

避難所や避難経路の把握

家族同士の安否確認の方法や集合場所、最寄りの避難所、安全な避難経路を、家族と一緒に話し合って確認しておきましょう。特にお年寄りや小さな子どもがいる場合は、避難に時間が掛かる可能性があるため、実際に避難経路を歩いて訓練しておくと安心です。

災害後のレジリエンス【サバイバル力】

創エネ、省エネ設備を設置する

太陽光発電や蓄電システムを設置しておけば、停電が起きても電気を自給自足することができます。給湯器のエコキュートは、断水になった際にタンク内のお湯を非常用水として使用することが可能です。

水や食料を備蓄しておく

大きな災害が起きると物流に混乱が起き、スーパーやコンビニに物品の入荷が途絶えます。食料品や日用品を自宅に備蓄しておきましょう。政府は最低でも3日、可能であれば1週間分の食料を備蓄しておくことを推奨しています。

備蓄には、“ローリングストック”がおすすめです。これは、日常的に飲食するものを多めに購入しておき消費した分を買い足していく方法。自宅にパントリーがあれば、大量の買い置きやかさばる水もスッキリとしまうことができます。

日頃から近所付き合いを大切にしておく

近所付き合いを大切にしておくことで、災害時にも助け合うことができます。地域コミュニティでの情報共有や支援体制の確認をしておきましょう。

レジリエンス住宅のメリット

毎日の暮らしを快適にできる

レジリエンス住宅は、日常生活を快適にする機能や安全性に配慮しているため、家族が安心して暮らすことができる住まいです。また、定期的なメンテナンスによって住まいの寿命を延ばし、生活品質が向上します。

災害時の健康被害やトラブルを回避できる

レジリエンス住宅の耐震性や家具類の転倒防止対策は、災害による直接的な危険から命を守ります。また、創エネ・省エネ設備や備蓄により、ライフラインが停止したときでも一定期間、自己完結型の生活を維持することが可能なため、在宅避難に適していることが特徴です。

もし自宅に倒壊や浸水の危険がなければ、避難所生活よりも在宅避難が推奨されています。避難所は多くの人々と密集して生活するため、プライバシーの問題や生活リズムの乱れなどによりストレスが生じやすい環境です。在宅避難であれば、心身の健康を維持しやすくなります。

レジリエンス住宅のデメリット

コストが掛かる

レジリエンス住宅は高性能な設備や素材、設計となるため、通常の住宅に比べて建築費用が高くなる可能性があります。しかし、省エネ住宅には公的な補助金制度が用意されているため、要件に適していれば負担を軽減することが可能です。

家族の理解や協力も必要

レジリエンス住宅を最大限に活用するためには、家族の理解と協力が必要です。耐震性や省エネ設備といった住まいの性能面だけではなく、毎日の安全性や防災を意識した生活習慣や行動を、暮らしに取り入れていくことが求められます。

まとめ:住まいのレジリエンスを高めよう

レジリエンス住宅は、毎日の暮らしを快適にする「免疫力」、災害時に命を守る「土壇場力」、そして災害後に生活を再建する「サバイバル力」で構成されます。

レジリエンス住宅は建築コストが掛かりますが、長期的な視点から見れば、健康な暮らしと安全性の向上、さらには災害による被害を最小限に抑え、エネルギーの自給自足という未来への投資となります。家を建てるなら「レジリエンス」の観点も意識してみてはいかがでしょうか?

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