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2024.02.13

地震の被害をできるだけ小さくする、家具配置のポイント

目 次

大地震のたびに建築基準法の改正が重ねられ、住まいの耐震性能は向上してきました。しかし、建物自体の耐震性がすぐれていても、家具や家電が負傷の原因になってしまうことがあります。大きな地震のときに室内での事故やケガを防ぐために知っておきたい、家具の配置のポイントをご紹介します。

大地震では家具による負傷が多い

近年の大地震で負傷した人のうち約3〜5割が、家具の転倒・落下・移動によるものでした。東京都防災会議の首都直下地震における被害想定によると「約5万人が家具類の転倒・落下で負傷する」と予測されています。
「大地震が起きれば家具は必ず倒れる」と考えるべきなのですが、世論調査によると「家具や冷蔵庫等を固定している」と回答した人の割合は24.3%にとどまりました。特に高層階ほど揺れが増幅されて転倒も増えるため、地震対策が必要です。
出典:
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/gensai/pdf/tebiki_web2009_05.pdf
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000254817.pdf

家具の転倒・落下による危険性

大きな地震の際、室内では「家具が倒れる」「引き出しが飛び出す」「収納した本や食器が飛び出す」「キャスター付きの家具が激しく移動する」といった現象が起き、さまざまな被害の原因になります。

ぶつかる・挟まれる・下敷きになる

転倒・落下した家具にぶつかったり挟まれたりすることが、直接的な負傷の原因になります。過去の震災では、家具の下敷きになり圧死してしまった人も少なくありません。

割れたガラスで怪我をする

家具のガラス扉や、食器棚から飛び出した食器類が割れて、飛び散る可能性があります。割れたガラスを踏んで足を怪我すると、歩行が困難になり避難が遅れるリスクが高まります。

避難のさまたげになる

転倒した家具が逃げ道をふさいだり、ドアを開けられなくなったりして、スムーズな避難のさまたげになる可能性があります。

火災の原因になる

ストーブなどの暖房器具に落下した本や衣類といった可燃物が接触して、火災の原因になるケースがあります。

家具の地震対策【置き場所・配置】

災害による被害をできるだけ小さくすることを「減災」といいます。家具の配置を工夫することで、減災につなげることが可能です。

避難経路をふさがないようにする

ドアの前に家具が倒れると、扉が開けられなくなる可能性があります。ドア付近では、開く側に家具を置かないようにしましょう。特に廊下は小型の家具でも倒れると避難の妨げになりやすいため、できるだけ何も置かないのがおすすめです。

寝る場所・座る場所にはなるべく家具を置かない

ベッドやソファなどの人が寝る場所・座る場所のまわりには、できるだけ家具を置かないようにすると安心です。家具を置く場合は、倒れる方向を想定して直接ぶつかりにくいレイアウトにしたり、転倒しにくい背の低い家具を選んだりすると怪我のリスクが軽減できます。

家具を置かない安全スペースをつくる

住まいの中に、家具を置かない場所を確保しておくと安心です。緊急地震速報があったときや余震が続く夜などの避難場所になります。

 

家具の地震対策【固定・収納の工夫など】

転倒防止金具を取り付ける

ホームセンターなどで市販されている転倒防止金具を家具に取り付けて、柱や壁に固定しましょう。転倒防止効果が最も高いのは、L字型の金具を柱や壁に直接ネジで固定するタイプ。家具を壁に固定するときは、下地(壁の内側の柱)が入っている場所を選ぶことが大切です。下地がない場所にネジ留めしても、簡単に抜けてしまう可能性があります。
賃貸住宅などで壁や柱にネジ止めすることができない場合には、ポール式(つっぱり棒)とストッパー式(家具の下に挟むタイプ)を併用することで転倒防止効果がアップします。転倒防止ポールは、設置場所(天井)に充分な強度があることを確認してから取り付けましょう。

耐震ラッチ付きの家具を選ぶ

耐震ラッチとは、揺れを感知すると扉や引き出しをロックして開かないようにし、揺れが治まればロックを解除する金具です。耐震ラッチ付きの家具を選ぶことで、地震時に扉が開いて収納物が落下したり、引き出しが飛び出したりするのを防ぐことができます。耐震ラッチのみを後から購入して、手持ちの家具に取り付けることも可能です。

キャスター付き家具の移動を防止する

キャスター付きの家具は、大きな地震の際に激しく移動する可能性があるためロックをかけておきましょう。日常的に移動する家具でなければ、キャスターに下皿を設置しておくのがおすすめです。

飛散防止フィルムを貼る

ガラス扉付きの家具では、収納物が飛び出して扉を突き破り、割れたガラスが飛び散る可能性があります。ガラスに飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。

家具の重心を下げる

背が高い家具は、重心の位置が高いと不安定で転倒しやすくなるので注意が必要です。高い位置には軽量な物を収納したりインテリア雑貨を飾ったりする場所にし、低い位置に重量物を収納することで重心が下がり転倒しにくくなります。

地震に備えた注文住宅にする

注文住宅を建てるなら、「後付け」ではできない地震対策を取り入れた建築プランがおすすめです。

備え付けの家具なら倒れない

住まいに備え付けの家具なら転倒する心配がありません。ウィザースホームの「MONOプレイス」は、設置場所に合わせて選べるオリジナルの収納システムです。地震の際の安全性はもちろん、収納タイプや大きさを使用目的に応じて決めることができるため、スペースを有効活用して住まいをいつもキレイに片付けることができます。

揺れを吸収する住宅にする

耐震とは、建物の強度を強化することで住まいの倒壊を防ぐ仕組みです。建築基準法の定めにより標準的な新築住宅でも一定の耐震性能が期待できますが、「耐震」に「制震」をプラスすることで、より住まいの安全性が高まります。制震とは、地震のエネルギーをダンパーなどで吸収し、揺れを低減する仕組みです。地震のほか台風や強風による建物の揺れにも効果があります。

まとめ

近年の地震では、負傷した人の約3〜5割の原因が、室内の家具の転倒や落下によるものでした。家具のレイアウトを工夫したり転倒対策を施したりすることで、地震の際の負傷を防ぎ、スムーズな避難経路を確保しましょう。注文住宅を建てるなら、備え付け家具の採用や、揺れを吸収する制震機能の搭載がおすすめです。

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